コゴロシムラ 読了
講談社から発行されている「コゴロシムラ」 著 木原音瀬を読了しました。
大好きな木原音瀬先生の新刊です。BLを主に書かれている作家ですが、今作は一般文芸になります。
うーん……。木原音瀬先生大好きなんですけど、正直私は楽しめず……。いや、お話はよくまとまってたし、木原音瀬先生らしいお話なんですよ。
新というキャラクターがとても魅力的でした。子供のように無邪気でありながら、妖艶な色気を感じます。
このキャラクターは今作のキーキャラクターなのでお話に深く関わってきます。容姿にとある特徴があるのですが、なぜそうなったのかという真実は、人間の業を感じました。何も知らず、幸せそうな新が悲しくもあり、美しくもあり……。
こんな感想を抱いているのになぜ私が楽しめなかったのか。それは帯の煽りのせいかなぁ。
産婆が赤子を何人も殺した村で尋常ならざる恐怖が始まる……祟りと因縁の渦巻くホラーミステリー!ちなみに背表紙の帯には戦慄のホラーミステリーと書いてます。
……あのね、どこがやねん!と突っ込みたい!
前半に少しホラーな部分があります。そこはもう、ちゃんとホラーらしかった!
だけど第2章から、なんか雰囲気が違うぞとなり。ホラーはどこへいった?状態に。
2章から別の話になったのかと思いましたよ、ほんとに……。
主人公が新をあまりにもすんなり受け入れたところも個人的に解せない。私なら嫌ですね。正体不明の人間の面倒なんてすんなりみません。
主人公が新を拒否したらお話終わっちゃいますから仕方ないですが。
あんまりにも雰囲気が違ったんでびっくりしたんですが、ホラー要素の強い第1章は雑誌掲載分で、そのあとは全て書き下ろしみたいです。
単行本にするため、急遽お話を作ったんでしょうか?
あとBLを主に書かれている作家だからか、ちょっとそういう雰囲気が漂ってます。主人公も新も男性ですが、主人公は新に惹かれはじめたり。まぁ新というキャラクターはすごく魅力的だったので、そこに違和感はなかったですが。
私はホラージャンルが好きなので、この本にホラーの煽りはつけないで欲しかった。木原音瀬先生のホラーが読めるとめちゃくちゃ期待しちゃいましたよ……。
ホラーを期待したら肩透かしになるので、読まれる方はホラーに期待はしないほうがいいかも。逆にホラーで躊躇されている木原ファンにはいいかもしれません。