リターン 読了
五十嵐貴久さんの「リターン」を読了しました。
作者のリカシリーズの2冊目になります。
うーん、個人的には微妙でした。
前作のリカは全編に渡ってリカの存在が感じられ、不気味で恐怖の化身であるリカがじわじわと近づいてくる怖さがありました。
しかし今作はリカが後半に少しでるだけ。リカによる殺人事件は起こりますが、犯人はリカだと分かっていること、そして全編に渡りリカの捜査がメインストーリーになります。
主人公は警察官。そして警察視点でのお話ですからどうしてもリカに恐怖するというよりはリカを追い詰めるストーリーになるわけです。
サスペンスホラーとしてどうしても怖くなくなる。
あとですね……これを書いていたときの作者は超絶スランプ、もしくはめちゃくちゃ忙しくて書く時間がなかったのか。とにかく文章がひどいです。商業出版している作家だとは思えないくらい。
前作はそんなことを感じなかったので、今作が特別なのだと思います。
あまりにも文章が直線的というか淡白です。深みがない。キャラの心情もほとんど描かれてなく、淡々と行動が綴られるのみ。
なので警察物としても嘘くさいというか現実味がなかったです。リカの狂気も感じられませんでした。
正直このシリーズで読むのをやめようかと思ったんですが、先に3冊目も購入してしまっていたのでもう少し頑張ってみようと思います。