カインの傲慢 読了
めちゃくちゃ久しぶりの投稿になりました。あまり本を読む気になれず、ゲームはプレイしていたんですが自分にはクリアが難しいものばかりで……。クリア出来なかったゲームに関しては、後日まとめてみたいと思います。
さて、今回読んだのは中山七里さんの『カインの傲慢』です。
刑事犬養隼人シリーズになります。文庫化されていなかったので文芸書です。
犬養隼人シリーズは刑事ドラマでありながら医療ドラマでもあり、個人的にすごく面白い作品だと思います。調べてみたら同シリーズは映画化の他にもドラマ化もされているんですね。
カインの傲慢は貧困層をターゲットにした臓器売買のお話です。既に胸糞の悪い単語が並んでいますが、実際に読むとターゲットは子供なので更に胸糞が悪い。
個人的に犬養隼人シリーズの中ではかなり腹立たしい事件が多かったです。
本の帯に「本当の悪は貧困だ」と書かれているのですが、まさにその通りだと思いました。
まあ貧困を理由に臓器売買する組織もかなり悪ですけどね。金を持つ者が命を買うのは当然だと思っているのです。闇で臓器移植する医者も、技術を磨く行為だと肯定しています。それらを冷静に論理的につらつらと並べ立ててくるのです。
ですがターゲットは中学生くらいの子供たち。貧困で喘いでる子供たちです。自分の力だけで生きていくことが困難な子供たちに、狡猾な大人たちをどうやったら退けられたのでしょう。
悪の一人は最後に犬養隼人に一つの真実を見せつけます。そして犬養隼人はそれに苦しみます。ですが私は犬養隼人は間違ったことはしていないと感じました。臓器移植は簡単に割り切れる問題ではないですが、貧困につけ込んで追い詰め、売買されるのは絶対におかしいと思います。
ですがこの感想も近くに臓器移植が必要な人間がいないからかなとも思います。
色々考えられるお話でしたので、ぜひ読んでみてください。
犬養隼人シリーズは数冊出ているのですが、同じく臓器移植をテーマにした一冊目、切り裂きジャックのお話を読むと、より物語に入りやすいと思います。