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ハーメルンの誘拐魔 読了

中山七里さんのハーメルンで誘拐魔を読了しました。

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刑事犬養隼人シリーズ3作目になります。面白かったのと興味深かったので一気に読んでしまいました。

 

今作、ハーメルンの誘拐魔は子宮頸がんワクチンがキーワードになっています。子宮頸がんワクチンの副反応で大きな障害を負った少女たちと、ワクチンを推奨してきた側の娘が誘拐され、世間に子宮頸がんワクチンを議論させるのです。

子宮頸がんワクチンによって千人を超える少女たちが副反応に苦しんでいるにも関わらず、それを副反応と認めず詐病や精神的なものとしてきた製薬会社や国。大きな副反応を知りながらそれを隠し、半ば義務のように推奨した産婦人科協会。政府や製薬会社の癒着。それらが誘拐事件によって世間の目に晒されるのです。

 

もちろんこれはフィクションです。ですが奇しくも今はコロナ禍。そしてコロナワクチンが世界で推奨されているときでもあります。

未知のワクチンでありますから副反応や亡くなられた方も出ています。内容を読むとワクチンが関係しているのか疑問に思うものもありますが、遺族にとってみればそんなものは関係ないでしょう。

ハーメルンの誘拐魔の子宮頸がんワクチン副反応についての描写は、数年後のコロナワクチン副反応についての社会議論を見ているようでした。

 

子宮頸がんワクチンについては世界で広く使われ、子宮頸がんによる死者の減少が分かっています。日本ではワクチンがあまり広まらず、子宮頸がんによる死者が減っていないと聞いたことがあります。なのでワクチンは間違いなく効果があるのです。

ただ大きな副反応がある場合もあるのも事実でしょう。コロナワクチンでも言われていますが、予防効果と副反応、どちらに利があるかということなんでしょう。

 

日本人は慎重派な人が多いのでワクチンが広まらなかったのかもしれません。それと同時に国の歴史として公害被害や薬害をなかなか認めてこなかったことも要因だと思っています。

 

子宮頸がんワクチンは日本では推奨されなくなりました。私も打ってはいません。(子宮頸がんワクチンが出たとき、すでに私は推奨年齢から外れていたのもありますが)

コロナワクチンについても迷いがあります。重症化リスクも死亡リスクもほぼない年代になりますので。

 

違う病のワクチンではありますが、今の時代には非常に興味深い本です。あくまでフィクションということ、子宮頸がんワクチンで多くの命が守られていることを頭に置きつつ、一度読んでみてはいかがでしょう?