積んだら崩せ!

ゲームと本が好き!だけどほとんど積んでます。

カインの傲慢 読了

めちゃくちゃ久しぶりの投稿になりました。あまり本を読む気になれず、ゲームはプレイしていたんですが自分にはクリアが難しいものばかりで……。クリア出来なかったゲームに関しては、後日まとめてみたいと思います。

 

さて、今回読んだのは中山七里さんの『カインの傲慢』です。f:id:tanakaraikofu:20211225154650j:image

刑事犬養隼人シリーズになります。文庫化されていなかったので文芸書です。

犬養隼人シリーズは刑事ドラマでありながら医療ドラマでもあり、個人的にすごく面白い作品だと思います。調べてみたら同シリーズは映画化の他にもドラマ化もされているんですね。

 

カインの傲慢は貧困層をターゲットにした臓器売買のお話です。既に胸糞の悪い単語が並んでいますが、実際に読むとターゲットは子供なので更に胸糞が悪い。

個人的に犬養隼人シリーズの中ではかなり腹立たしい事件が多かったです。

本の帯に「本当の悪は貧困だ」と書かれているのですが、まさにその通りだと思いました。

まあ貧困を理由に臓器売買する組織もかなり悪ですけどね。金を持つ者が命を買うのは当然だと思っているのです。闇で臓器移植する医者も、技術を磨く行為だと肯定しています。それらを冷静に論理的につらつらと並べ立ててくるのです。

ですがターゲットは中学生くらいの子供たち。貧困で喘いでる子供たちです。自分の力だけで生きていくことが困難な子供たちに、狡猾な大人たちをどうやったら退けられたのでしょう。

悪の一人は最後に犬養隼人に一つの真実を見せつけます。そして犬養隼人はそれに苦しみます。ですが私は犬養隼人は間違ったことはしていないと感じました。臓器移植は簡単に割り切れる問題ではないですが、貧困につけ込んで追い詰め、売買されるのは絶対におかしいと思います。

ですがこの感想も近くに臓器移植が必要な人間がいないからかなとも思います。

色々考えられるお話でしたので、ぜひ読んでみてください。

犬養隼人シリーズは数冊出ているのですが、同じく臓器移植をテーマにした一冊目、切り裂きジャックのお話を読むと、より物語に入りやすいと思います。

カリギュラ2 プレイ完了

Switch版のカリギュラ2をメインストーリークリアまでプレイ完了しました。

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クリア後のやり込み要素はまだ手付かずです。

難易度はノーマルでクリア。プレイ時間は約42時間。クリア時の主人公のレベルは47でした。

 

いやー、期待していなかった作品なんですが、めちゃくちゃ面白かったです!

 

実は私、前作のカリギュラは途中でやめちゃったんですよ。一回の戦闘が長いのとダンジョンの単調さと長さ、あと必須ではないですがサイドクエストの怠さが半端なくて。

なので今作も買うか悩んだのですが、ダメだった部分がかなり改善されていると聞いたので買ってみました。そしてハマりました!

 

カリギュラの戦闘はなかなか独特のシステムでして、コマンドバトルなんですか少々のロジックが必要となります。なので一回の戦闘が長引くんですが、今回は一度にとれる行動の回数が制限され、劇的にテンポがよくなっていました!

通常バトルは主人公以外オートモードで十分ですし、じっくりバトルするのはボス戦くらい。なのでサクサク進める事ができました。

ダンジョンは前作と同じで少々長くて単調なところもあるんですが、そこも以前のより改善されています。以前のはやたらめったら広い学校内とか違和感があったのですが、今回は常識範囲の広さになっているかなと。

エストは……ちょっと面倒な部分は改善されていないです。NPCが移動するんですよね、このゲーム。だからクエストを報告するのに探し回らないといけないのがいただけないです。とはいえ少々ストーリー性があったり主人公のパラメーターが上がったり、遊ばせようとしているのは感じました。

 

ストーリーは仮想世界から現実に帰る、という目的は前作と同じなんですが、味方敵問わずにキャラクターが人間味があって良かったです。

難しい理論とか理想とかなしに、みんな自分の実に人間的な理由で動いているんですね。相容れないキャラもいますが、好感が持てるキャラが多かった気がします。

 

あとカリギュラは音楽がいいんですよ。戦闘になるとそのステージの歌が流れるんですが、非常に耳に残るメロディで、なおかつリグレット(敵側の歌姫)の声優さんが実に歌がお上手で……!味方側の歌姫も歌が下手なわけじゃないんですが、リグレットの歌声が私はすごく好きでした。

 

RPG好きなら是非プレイしてもらいたいゲームなんですが、注意する事が一つ。カリギュラ2 本体だけだと完全に楽しむことができないかな、ということです。

前作のキャラや話がちょくちょく出てくるのと、ストーリーの鍵となるキャラもシリーズをやっていた方がより驚くようになってるんですね。私は途中で投げ出したとはいえ前作の基礎知識があったので楽しめたのですが、全く知らずに遊んだらどうだったか……。カリギュラは小説も一冊出ているんですが、それを読むともっとカリギュラ2を楽しめるそうです。(私は未読)

 

あともしお持ちならSwitch版よりPS4版がいいかもしれません。Switch版は流石にキャラがぼやけ過ぎです。PS2くらいのキャラグラフィックかも。画像の綺麗さにはあまり興味がない私ですらちょっとびっくりしました。

 

戦闘システムが少々独特なので、気になった方は動画などで確認してみてください。

ハマる人はがっつりハマるゲームですよー!

探偵撲滅 プレイ完了

SwitchとPS4で発売日されている探偵撲滅をクリアしました。

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プレイ時間は約13時間。Switch版です。

 

うーん、結構楽しかったんですが、プレイ前にすごく期待しちゃってたので、ちょっと肩透かしな気分w

駄作ではないと思いますが、どこか既視感があり、しかも既視感を抱く作品より見劣りするので、やっぱり少し残念。

多分この作品に興味を持った人はだいたいわかると思うんですが、某ロンパゲームをとても意識してるんではないかというゲームなんですね。

キャラの特性まで被っていたりするので、どうしても比べちゃいます。

 

ただやっぱり仲間の中に裏切り者がいるという展開は面白いですね!あれこれ考えながら進めるのが楽しい。

唯一このゲームのオリジナリティは、探索パートがシミュレーションRPGのようになっているところでしょうか。正直このパートに惹かれてゲームを購入したんです。

覚えゲーなところがあって何度もゲームオーバーになりましたが(特に3章だったかな)やり直すのは楽なのでなんとか投げずに済みました。

このゲームの個性であり面白いシステムだなと思ったんですが、何度もゲームオーバーになれば作業になりますし、好き嫌いは別れそうです。

 

このゲームの難点はタイトルの探偵という言葉から連想される、推理というもの。

はっきり言ってキャラクターが勝手に推理していくので、推理ゲームではないんですよ。登場キャラが全員探偵で殺人が起こるのにプレイヤーはほぼ推理なしというのは、若干タイトル詐欺な気がします。

あとですね……主人公、仲間含め、本当に探偵なのかと問いたくなるような有り様。

探偵同盟の序列上位者が揃っているのにポンコツ過ぎてびっくりです。

ストーリーは仲間が次々倒れていくデンジャラスな展開なのに、キャラの知能や行動はなんだか子供向けというか、チグハグしていました。

 

はっきり言ってめちゃくちゃオススメできるゲームではないですが、デスゲームや某ロンパ系ゲームがお好きな方は楽しめると思います。

Switch版はゲーム前にアプデしないと2章あたりでエラーが頻発しますので、必ずアップデートしてくださいね。

 

 

モンスターハンターストーリーズ2 プレイ完了

Switchで発売されているモンスターハンターストーリーズ2破滅の翼をストーリークリアまでプレイしました。

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クリアレベルは49。プレイ時間は78時間くらいなので、結構のんびりプレイした方ではないかなと思います。

 

実は8月中にクリアしていたんですが、少し色々ありましてブログを書くのが遅くなりました。

 

個人的に今作は面白かったです!……ですが、手放しで全て褒められるわけではないかな。

1も発売された当初に購入してプレイしていたんですが、中盤でだれてしまってクリアには至ってないんです。なので今作もクリアできるか心配だったんですが、グラフィックが向上し、前作より大人も楽しみやすくなっていたので、なんとかストーリークリアまでいくことができました。

 

1を途中でリタイアした私ですが、2をプレイしていて困ったことはなかったです。一応前作のキャラとか出るんですが、深くストーリーに関わっているわけではないので、困惑することもなく進められました。まあ前作を知っていた方が面白いのは確かでしょうが。

 

クオリティがアップしていて楽しくプレイできたんですが、難点をあげるのはストーリーに関して。

なんというかプレイしていて、主人公って必要?ってなったんです。

今作の主人公には伝説のライダーが祖父にいるのですが、登場人物のほとんどが主人公を通して祖父を見ている。主人公に伝説のライダーの役割を期待しているんです。主人公自体は新米ライダーなのに、祖父のような力を求められ、叱責されたりもする。これって主人公でなく、祖父を最初から主人公にしたらよかったのでは?

最初から最後まで祖父の名前や姿が出てきて、ストーリーをクリアして(世界を救って)ようやく一人前と認められます。

これがなんかなぁ……私的にもやもやしました。主人公は話さないタイプの主人公なので、気持ちの代弁はナビルーという相棒かヒロインがして、やっぱり主人公はお飾りです。

主人公ってなんなのかな、と感じました。

 

ただ装備で見た目が変わったり、モンスターを仲間にできたり好きなように強化できたり、育成面はすごく楽しかったです。

 

アニメを見ているようなクオリティとハマればいつまでも遊んでいられる育成。RPGが好きな人にはオススメできるゲームではあるので、気になる方は是非。

残酷なシーンなどはなかったので、お子さんにも安心なゲームかなと。

ただストーリーは好みが分かれますよ。

ドクター・デスの遺産 読了

刑事犬養隼人シリーズの4作目、映画にもなったドクター・デスの遺産を読了しました。

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面白かった!映画も観たくなりました。

 

ドクター・デスの遺産は安楽死殺人をテーマとした事件です。日本では認められていない安楽死は殺人になります。

刑事である犬養隼人は安楽死殺人を行うドクターデスを名乗る人物を捕まえようと奔走するのですが……。

 

安楽死というのは難しいテーマだなと思います。認められている国もあれば、日本のようにその処置を施すと殺人になる国もある。高齢化社会が問題として取り立たされている今、安楽死についても度々議論になったりしますよね。

ドクターデスは安楽死処置をしますが、誰も彼もそうするわけではありません。ドクターデスの価値観に基づいた、末期の病気、死の苦痛に苦しむ者、そして本人の同意がある場合にしか手を下すことはないのです。

安楽死することはその者の望みであり「この殺人に被害者はいない」といった台詞はとても印象に残りました。

 

主人公である犬養隼人も悩みます。日本の法律では確かに罪。ですが犬養隼人には難病の娘がおり、生きて欲しいという気持ちと苦しむことなく楽になって欲しい両方の気持ちが理解できるのです。

 

ドクターデスは犬養隼人にとって最大のライバルになるのではないでしょうか。作中で犬養隼人自身が、ドクターデスと自分はどこか似ている部分があると認めています。

綺麗事だけでは済まされない死についての話は、胸中に様々な感情を抱かせてくれました。

ドクターデスと犬養隼人の結末がどうなるのかは是非本を読んで確かめてみてください。

 

犬養隼人シリーズの文庫は現在ドクターデスまでしか発刊されていないようですが、文芸書にて続編があるようなので、また読んでみたいと思います。

ビハインド・ザ・ホラー 読了

青土社から発刊されているビハインド・ザ・ホラーを読了しました。

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文芸書で2400円!ちょっと高いなぁと躊躇してしまう値段でしたが、どうしても読みたかったので購入しました。

 

内容はと言いますと、有名ホラー映画の元になった事件や犯罪者について書かれています。「羊たちの沈黙」のレクター博士はこういった犯罪者がいて、こういった経緯で生み出された……みたいな感じです。

 

私は映画のジャンルではホラーが1番好きで、とりわけ海外ホラーをよく観ています。(日本のホラーは有名どころを観てるくらい)

正直なところ、海外ホラーって大袈裟だったりグロいだけで怖くないなぁと思うこともあったんですよ。

ただそんな怖くなかった作品のバックボーンを知ると、めちゃくちゃ怖くなりました。というか実際の方が残酷……。人間ってこうも恐ろしいことができるのかと思いました。

 

心霊系ホラー映画のバックボーンでは実際にあったとされる事件を元に、心霊とトリックの両局面からの意見が書かれていたり、有名な鮫映画、ジョーズを連想させる事件があったりと、色々なホラー映画の背景をうかがうことができます。

歴史からインスパイアされたホラーなんかはとても興味深かったですね。一つの作品を生み出すのに、色々な知識が必要だというのはこのことかと感心させられました。

 

海外のホラー映画と事件ばかり取り扱った本なので、海外ホラー好きな方は是非読んでみてください。背景を知ると面白くなったり、ますます怖くなったり……事実は小説より奇なりだったりしますよ。

みちこさん英語をやりなおす 読了

増田ミリさんの「みちこさん英語をやりなおす」を読了しました。

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中はコミックなんですが、今回は非常に文字が多いものとなっています。

 

この本を読みたいなと思ったきっかけは増田ミリさんのファンだということと、帯でした。英語の先生が「簡単でしょ」とみちこさんに話しかけ、「簡単かどうかは私が決めます」と言ったみちこさん。現実に言われたら少しカチンとくるかもしれませんが、確かにその通りだと腑に落ちた私。すごくこの本が読みたくなりました。

 

ちなみに私、英語はほぼダメです。主人公のみちこさんと同じように中学から短大まで勉強し、全く分からないわけではないですが、ほぼ分かっていない状態。だからかみちこさんと同じ気持ちで英語の勉強ができました。

 

英語の入門の入門と帯にあるのですが、まさにその通りで、主語とはなにか、be動詞はなぜそうなるのかなどなど、本当に初期の初期から英語の勉強がはじまります。そしてこれが非常に分かりやすい。

私もかなり曖昧だったところがあるんですが、この本でしっかり学ぶことができました。英語を学ぶつもりで読みはじめたわけではないのに自然と英語の仕組みを知ることができ(初歩中の初歩ではありますが、私にとっては大きな一歩!)英語を勉強しなおすのもいいかもと思うまでに。

中学時代にこの本に会えていたらなぁと思いますね。

あと英語を学べる本ではあるのですが、同時に日本語についても考えられる本で、日本語って綺麗だなぁとつくづく思えました。私は結構和歌だったり古文だったりを読むのも好きなんですが、そういった日本語にも触れ合いたくなる本でもありました。

 

個人的に英語が苦手だったりこれから英語を勉強する子供さんに是非読んでもらいたいです。夏休みも近いですし、どうでしょう?