クララ殺し 読了
積んでいた「クララ殺し」 著 小林泰三 を読了しました。
作者の童話シリーズの二作目になります。私は三作目である「ドロシイ殺し」を読み終わっているので、現在発刊されているシリーズはこれでコンプリートしたことに。
クララ殺し……うん、面白かったです。ただ三作読んだ中で一番馴染みの薄い童話だったので、キャラに愛着とかは持てなかったです。
クララと言えばハイジ!と思っていたのですが、ネットでくるみ割り人形がモチーフだと知り、だけどクララとの出会いが牛かヤギがいる場所で、なおかつクララが車椅子。やっぱりハイジやないか!と思っていたら、ハイジ要素はそこまでで、中盤からはくるみ割り人形が出るお話に。私はくるみ割り人形をよく知らないのですが、クララって子が主役なのでしょうか?
お話の視点は地球では井森、ホフマン宇宙ではビルというキャラになります。同一人物なのですが性格が違うので面白い。井森もビルも大好きです。人気キャラなのか、三作目も井森ビルが大活躍!
二つの世界を行き来するのが、このシリーズの醍醐味であり、重要なトリックになるのですが、個人的には今作が一番良くできたトリックに思えました。そのぶんややこしかったけど。アーヴァタールというものを駆使したお話になっています。アーヴァタールがなにかは、この童話シリーズの鍵なので、是非読んで確認してみてください。一風変わったミステリーでよくできています。
クララ殺しは他の二作より残酷なシーンも少なかったので、苦手な人も読みやすいはず。
このシリーズはまだ続くのかな?気に入っているので是非続いて欲しいな。