ヒトごろし上 読了
京極夏彦の「ヒトごろし 上」を読了しました。
京極夏彦の土方歳三物語。上下に分かれているにも関わらず、上巻だけでページ数はなんと783。相変わらずこの人の本は分厚い。ですが一つの文章がそれほど長くなく読みやすいので、読破まで時間はあまりかかりませんでした。
読み始めたらなかなか止まらないくらい、面白かったです!
私は新選組、特に土方歳三が好きなので、新選組の本はいくつか読んでいます。ですので話の大筋はどうしてもわかってしまうのですが、京極夏彦の土方歳三は一味違いました。
私が読んできた土方歳三は綺麗な侍として描かれていることが多かったのですが、今作の土方歳三は人を殺したくてたまらない狂人です。人を殺したいがために侍の地位を欲し、そのために新選組を利用する……今までの土方歳三とは大違いです。でも違和感は特に感じない。このあたりに作者の力量が伺えます。もしかしたら土方歳三とはこんな人物であったかもしれないと、信じてしまいそうなリアリティがありました。
読み出すと止まらないので早速下巻を読み始めています。土方歳三がどうなるのか、歴史を知っているので先は分かっているのですが、それでも読み進めるのが楽しみです。