老後の資金がありません 読了
積み本の「老後の資金がありません」 著 垣谷美雨 を読了しました。
手に取ったきっかけはやはりタイトル。老後の資金はニュースでもよく取り上げられていますし、気になるところでもあります。
1ページ目からスッとその世界に入ることができました。主人公は特別な力も絶世の美女でもない、ごく普通の主婦です。それ故に悩みや考えなんかもリアルに伝わってきて、スラスラ読むことが出来ました。
前半はかなりシビアです。せっかくの貯金がどんどん減っていき、主人公は苦しみます。そしてシンクロしている読者も同じように重い気持ちになっていきます。正直、私もしんどかった……。仕方ないこととはいえ、お金が減っていく焦燥感は現実的でストレスMAXです。読んでいて不安になりました。
ですが後半から雰囲気がガラッと変わります。前半が現実的なら後半は映画的。リアルからは少し離れます。ここが好き嫌い別れるところじゃないかな。私はあり、だと思いました。
だって前半の重苦しいのが最後まで続くなんてしんど過ぎる。小説としてドラマティックになるのはエンタメとしてはありなんじゃないでしょうか?
タイトルが気になったなら読んでみてもいいんじゃないかと思える一冊でした。